青春は怪談とともに『文豪たちの怪談ライブ』東雅夫編著
明治~大正初期に流行した怪談会。現代の怪談ライブに通じる隆盛を稀代の"おばけずき"文豪としての泉鏡花を中心に紹介。
自分では読むことがなかっただろう当時の怪談会のルポ、そこで語られた怪談の数々。
恐いゾッとるような話も中にはあるが全体の印象としてとにかく楽しそう。本当に楽しそう。第2章のタイトルは「我が青春の怪談会」。この言葉が本書を通じたテーマであると思う。
怖い話を聞いて話して怖がってるのになんだかキラキラとしていて。
明治時代の風俗も興味深く読んだ。
特に各怪談会で仕出された趣向を凝らしたおばけモチーフの料理なんかは現代でも美味しそうだし受けそう。
本書の中で語られた数々の怪談の中で一番好きなのがこの話。
よく一緒に遊んでいる子供たちの中の一人がふといなくなって『宮のない神様にもらった』って言ってそのへんには生えてないはずの南天をくれた。その子は何回かふといなくなりそのたびに南天を持ち帰ったという。鏑木清方の奥さんの体験談です。
センスオブワンダーと「宮のない神様」って言葉に潜む少しの不気味さがえも言われずお気に入り。
よく一緒に遊んでいる子供たちの中の一人がふといなくなって『宮のない神様にもらった』って言ってそのへんには生えてないはずの南天をくれた。その子は何回かふといなくなりそのたびに南天を持ち帰ったという。鏑木清方の奥さんの体験談です。
センスオブワンダーと「宮のない神様」って言葉に潜む少しの不気味さがえも言われずお気に入り。
当時の人達と現代に生きて怪談ファンである自分の共通点を見出して嬉しく、時代を超えた縁を感じることができた楽しい読書体験でした。